メモリアル1
—バラ園—
女性が子どもたちと美しい歌声を響かせている……
- クラリス
- あ~あ~あ~♪ふふ、素晴らし合唱でしたね。きっと、神様にも届いたと思いますよ。
- 今日はこれでおしまいにいたしましょう。次回は……えぇ、教会はもう……。そうですわね、次の日曜日にまたここで。
子どもたちが去って行った……
- クラリス
- …………。はぁ……。
[どうして悲しげなの?]
- クラリス
- あら、見られてしまいましたね。子どもたちに悲しい思いをさせてしまっていることが心苦しくて、つい……。みっともないところを見せてしまいました。
- クラリス
- 彼らは聖歌隊の子どもたちです。私は教会のシスターなのですが、仕える教会が財政難に陥ってしまいまして……。現在、教会は使用できない状態なのです。
- 聖歌の練習はもちろん、神に祈りを捧げることも叶わず……。このままでは建物を売り払うしか道はありません。
- ですが、あの教会は多くの者の心のよりどころ。失うわけにはいきませんわ。
- そのためには資金が必要で、私が他のお仕事をしてお金を稼ぐほかなさそうです。多生の不安はありますが、神はお救いくださるはずです。
[その歌声を生かしませんか?]
- クラリス
- 歌声を生かす?……アイドル、ですか?
- 魅力的なお話ではありますが、少し考えさせてください。他のシスターたちにも相談し、慎重に決めたいと思いますので。……貴方の優しき御心に最大限の感謝を。
—数日後—
- クラリス
- アイドルの道を行く覚悟を決めてまいりました。私の歌がその助けになるのであればこんなにも喜ばしいことはありません。
- 何よりも、歌う喜びをいつでも感じられるのですから……。あなたとの出会いを感謝します。