星空に響く交響曲

事務所

記者: もうじき開催のチャヤリティーLIVE特番。『コズミック・シンフォニー』のみなさんも出演決定されたということで、おめでとうございます。
柑奈・クラリス: ありがとうございます。
音葉・聖: ありがとうございます。
記者: みなさんの傑出した歌唱力は、多くのファンを獲得しています。今回の特番でも注目度が高いですが、そんなみなさんの背景については、あまり知られていません。
記者: 人々の心を動かす歌声が、どういった環境から生まれたのか。みなさんにとって歌とはなんなのか、など……。そのあたりを是非、聞かせていただければと。
柑奈: では、私からお話しますね！私は、歌には人と人を繋げる力があると思っています。すぐには理解しあえなくても、仲良くなれない人はいないって。
記者: デビュー前は、よく弾き語りをされていたそうですね。そのあたりのご経験も影響しているのでしょうか？
柑奈: そうですね！みんなで同じ歌を歌って、手を取り合って。その向こうに、きっとあるって信じているから歌うんです。爺っちゃんが私に残してくれた、ラブ＆ピースという想いが！
記者: そうですかそうですか……。亡きおじいさまの遺志を継いて……。
柑奈: あ、爺っちゃんは地元でピンピンしてます。
記者: そ、そうなんですね……あ、あはは……。では梅木さんは……？確か、ご両親はクラシック音楽の奏者であったと聞きますが。
音葉: はい。……確かに、音楽家の両親の影響は大きいと思います。私は……ずっと音と一緒に生きてきたので。
音葉: 小さな子が積み木のおもちゃに触れるように慣れ親しむ……。そうやって私は、音をとても身近なものとして育ちました。『音を紡ぐ』という行いそれ自体が、私の在り方なんです。
記者: なるほど……。アイデンティティーそのものであるといったところですか。 ……では、クラリスさんは？
クラリス: 私にとって、歌うことは教会の教えを広める一環でもありました。人々が笑顔で日々を生きることを祈って歌うこと。これは私の願いであり、使命とも言えるかもしれません。
記者: ああ、そうでしたね。クラリスさんは以前、教会でシスターをされていたと。
クラリス: ええ。ですから今回のチャリティーLIVE、私にとっても嬉しい企画です。歌う曲が変わっても、想いはあの頃と変わりませんから。
クラリス: 夢や希望を歌うこと、恋する心を歌うこと……。それらは私たちが人生を送る中で大切な力になってくれます。人として当たり前の幸せを祈ることは、善き想いですからね。
記者: ふむ、なるほど……。やはり歌は、みなさんを形作る要とも言えるものだったのですね。
記者: では、望月さんにもお話を伺いたいと思います。あなたの人生の中でも、歌は特別なものだったのでしょうか。
聖: わ、私は……。
聖: 私は……ただ、歌うのが好きなだけでした。ですから、その……。インタビュー映えするようなお話、できなくて……ごめんなさい。
記者: ……ふむ？
聖: 特別な背景や想いがあって歌ってたわけじゃ……ないんです。以前は……誰かのために歌うということも、ありませんでしたし。
記者: しかしあなたの歌声も、今や多くのファンを魅了しています。その理由が単純な歌唱技術だけとは考えにくいですが……。
柑奈: 記者さん。聖ちゃんは「以前は……」って言ったんですよ。
聖: 柑奈さん……。
柑奈: ふふっ。聖ちゃんは、あんまり積極的に自分語りとかしないですからねっ。
クラリス: ですが今の聖さんが持つ想いは、誇って良いものだと思います。一緒に歌う中でも、私の心に伝わってきますから。
音葉: 私たちは知っています。聖さんの歌声が、とても優しい色をしているということを。だから大丈夫。胸を張って……ありのままを話してみましょう。
聖: ……ありがとう、ございます。じゃあ、えっと……上手く言えるかは、わからないですけど……。
聖: ……私の歌を広めたいって……言ってくれる人に、会えました。はじめはひとり、でもそれがどんどん増えて……おかげで……いろんな場所で歌えるようにもなって。
聖: みんなと歌う楽しさ。自分を表現すること。それに、誰かの幸せのために、歌うこと。全部……人との出会いが、教えてくれました。
聖: だから、多分……「ありがとう」……なんです。今の私にとって……歌は「ありがとう」の形そのもの。みなさんからもらった……大切な気持ちなんです。
柑奈: 聖ちゃんだけじゃないですよ。私たちも聖ちゃんからもらっているんです、いろんなものを。
クラリス: 良き隣人とは、互いに影響しあうものですからね。
音葉: 私たち4人の音色は、混ざり合えばどんな色にもなれる……。私は、そう思っています。
記者: はは。それですよ。私が……いえ、この記事を読む読者が知りたいと思うのは。ありがとうございます。番組、楽しみにしていますよ！

記者は満足そうに微笑み、インタビューは無事終了した

チャリティーLIVE特番当日

柑奈: 手を取り合って歌いましょーう！想いをひとつに！ラブ＆ピース
音葉: 見えます……会場のみなさんの、とてもきれいな声援の色。私たちも、合わせます……。全員で作りましょう……虹色に輝く音を……。
クラリス: 幸せを祈る歌声を紡ぎましょう。ご家族の、お友だちの、大好きな人の幸せを祈りましょう。
聖: 届けたいと思います……。今日、来てくれた人たちにも。テレビで観ている人たちにも。私の……私たちの「ありがとう」を……！

聖なる夜に、祈りのうたは響き渡る……

コズミック・シンフォニーのLIVEは大成功をおさめたのだった……